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GAFAを追い込む菅さん

 GAFA(Google、c、FacebookAmazonなど巨大IT企業)はこれまでは各国の法規制に強く反発してきた。各国政府との関係構築にも熱⼼とは言えなかった。しかし今日のように世界市場で独占的な立場になると、各国で規制を求める声が⾼まったことで変わらざるを得なくなった。消費者や市場から規制を求める声が⾼まってきたためだ。

 今月に入って楽天がキャリア⼤⼿3社の半額以下の料⾦プランを打ち出した。そしてこれまでの3キャリアの高額な通信料⾦の背景にあった高額な端末価格の引き下げにAppleが乗り出した。

 菅義偉官房⻑官はGAFAを念頭に巨⼤IT企業を規制する新法を議論する「デジタル市場競争本部」の本部⻑を務めているそうだ。

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 菅さんは昨年の講演で通信料金4割値下げを打ち上げ、楽天が⼤⼿3社が9割を握る市場シェアを崩せば価格競争が進んで利⽤者負担が減ると期待しているようだ。

 この新法ではスマホのアプリストア事業者とアプリベンダーとの契約の情報開⽰を求めるなどで規制をかけるよう。

 楽天が今月発表した料⾦プランはデータ通信量の上限のない⽉額2980円で「海外事業者と比較して相当安い」と菅さんも好評価。

 GAFAが政治に接近してきたのは、こうした事情もあり、⽇本の携帯市場が動き始めたといえる。昨年からAppleのティムクックCEO、GoogleのピチャイCEOらがこぞって菅さんに面会している。両者とも日本市場に協力したいと言っているようだ。

 世界からの批判に危機感を⾼めたGAFAは政府や法制度への配慮を前⾯に出し始めたということだ。

 ⽶議会の公聴会に呼ばれたFacebookザッカーバーグCEOが、いつものTシャツ姿でなくてスーツ姿で議会⼊りしたのもそういうことらしい。AppleのティムクックCEOもトランプとの蜜月を続けているようだ。

 菅さんはこうした動きを見事に捉えている。

日本でのAppleのシェアは50%を超え、その背景には3キャリアとの契約のからくりがある事を見据えていたのだ。「通信料の割引に充てるべき原資」を「端末割引に充てる契約」となっていると把握していたということ。

 「アップルとの戦いだ。アップルにこれ以上搾取させるな」といった総務省への菅さんの指示があり、改正電気通信事業法が成立したのだ。これで端末値引きに上限を設け過度に値引きしないようにさせる通信契約となる。

 ⽇本で起きたこの変化は、今後の世界におけるGAFAと政治の相関を見るものだ。

 昨今は本当につまらぬ政治家が多いが、菅さんは本物の政治家に感じる。応援したい。