RFIDってそろそろくるのか?
自分の身の回りでは、この3か月くらいに急にRFIDの話をよく聞くようになった。
先月のニューヨークで1月11日から14日まで行われた、小売店やや流通業界を対象とした展示会「NRF 2020 Retail's Big Show」でも多くRFID技術が散見されたようですね。
今年のこの展示会では、今後2-3年先のトレンドを占うような技術展示がいくつか見受けられたが、その中でもRFIDは要注目だったようだ。
RFIDの技術についてはここでの言及は割愛するが、RFIDがここまで広がらなかった重要な要因として言われていたのは「RFIDタグのコスト」である。
では、どーなの?一個いくらなの?
それが、単価が十数円から数十円、安いものでも数円程度が現在の相場と言われている。製造ロット数にもよるが、十数円程度がおおまかな単価の相場であると言われる。
これはタグだけの単価だ。各メーカーは物流の途中でタグを貼付する工程賃は当然別である。これでは皆使いたがらなくて当然である。
そのため、便利だけど。。なかなかねぇ~といったメーカーの担当者の声が想像に難くない状況なのである。
よく思い描いたものである。冷蔵庫の前に妻がスマホを持って立ち、冷蔵庫の上から下へスキャンするだけで、何が何個入っているのか、その消費期限が一目瞭然。
でもこれまでは技術的には可能でも難しかったのである。
そこで煮えを切らした、政府がとうとう重い腰を上げた。なんとRFID普及に乗り出したのだ。
経産省は2018年初頭に「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」の名称で2025年までにコンビニを中心とした流通インフラにRFIDを載せ、文字通りタグを量産することでコストを押し下げたいとその心づもりを公にしたのだ。
ただ、国は乗りだしたが、流通にかかわるすべての業界の現状では、
「できるか~?」「いや~まだ無理よ~」てな感じです。
そんな時代背景がある中、今年のNRFではRFIDが目立っていたのだ。
すべてスマートリテールを実現する為である。
店舗に入ることで、客を認証し、店舗を出るときにRFIDで購入決済を自動的に行う。
途中で立ち止まることもなく決済が可能。
導入ができないだけで技術は一方的に進んでいく。
ユニクロなどの世界中のすべての巨大SPAや、Amazonのスマートリテイル店舗が一挙にこの方向へ進むしかタグの単価が下がることは無い。需要がそれを実現するのであろう。
はたまた、違う技術が実はそれに取って変わるのか、それを眺めているのは少し楽しみな気がする。