NelLog ネルログ

This is a storage room of my chaotic interest.

ゲーミフィケーションって

 ゲームのノウハウを異業種に応用することを「ゲーミフィケーション」と言うそうですね。

f:id:hirotadablog:20200324121108j:plain

 ゲームソフトメーカーが販売を伸ばすために培ってきた「続けて遊びたくなる」というノウハウを、異産業で取り入れられる動きがおおきくなっているそう。「人を楽しませる」というゲーム独自の視点が、技術の実用化や高齢化などの社会課題の解決に新たな示唆を与えると期待されているのだそうで、医療や介護の現場で特に注目されているみたいです。そうした風潮の下、スクエアエニックスバンダイナムコでは異業種との協業が行われているそうですので、どんなことをやっているのかしりたいです。

「卓球ロボット オムロン」の画像検索結果

 スクエアエニックス人工知能(AI)を活用し、やる気を引き出すという、面白げなPOCをオムロンと共同で実施。オムロン製の卓球ロボットにスクエニのAIを搭載し、AIが厳しく攻撃したり、やさしい球を返したりするらしいです。ロボットが人を観察していわゆる「アメとムチ」を使い分け、やる気を引き出して練習の効果を高めるものだそう。
 昨今はAI技術の発展で様々な機械は以前よりも飛躍的に精密制御が可能となり、ロボットが人と一緒に作業するなどの社会実装を目指すには、人を理解して協調性を高められるAIの開発が求められます。しかしながらAIは人と共存する現実が苦手で、その一方、ゲーム産業は一人のユーザーを深く理解し、楽しませることを続けてきたため、このPOCには意味がありそうですね。

「ファイナルファンタジー15」の画像検索結果
 こうした仕組は、「ファイナルファンタジー15」の中で既に取り入れられています。仲間キャラクターがプレイヤーが倒そうとしている敵をあえて倒さないとか、AIでゲームのユーザービリティや難易度を調整しています。
 スクエニは自動接客サービスなどでの実用化を目指しているようで、将来的にはスマートシティーなど、多数のAIが複合的に運用されるシステムの中で、全体を最適化させる監督役となるAIの開発につなげたいようです。

「製薬」の画像検索結果

 バンダイナムコは製薬の東和薬品と、服薬を支援するスマートフォン向けアプリの開発に着手しており、令和3年までに開発する予定だそう。
 ゲームそのものの楽しさのほかに、モチベーションを上げる仕組みや達成感などを最重要課題として開発しているようで、今後このゲーム制作で培ったノウハウを活用するとのこと。年間約500億円ともいわれている医療費高騰の一因となっている残薬の解消につなげたいとのこと。

「pacman」の画像検索結果

 ゲームの世界では早くからAIが活用されてきたようです。なんと第1次ゲームブームの「パックマン」ではプレイヤーの動きに合わせて敵の攻撃に緩急をつけ、飽きさせないことがヒットにつながったと言われています。また、平成2年発売の「ドラゴンクエスト4」では、仲間が自動で学習しながら戦うAIが既に取入れられていました。「少し先の未来」をみせることがゲームの役割、だそうです。
 異業種が相次いで、「やる気アップ」につながるゲームの仕組みに着目しています。こうした企業の共通の悩みは、「どうやって人の意識に働きかけるか」だそうです。売れる製品の開発競争にしのぎを削るゲーム業界の考え方がその突破口になるかもしれませんね。