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地方特化サービスで価値を生む<とくし丸>

 日本ならではの「買い物難民」を支援する移動スーパー「とくし丸」って知っていますか?

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 とくし丸とは、「とく、とく、とーく、とーくしー丸~」といった音楽を流しながら、野菜やパン、魚などのイラストが描かれた軽トラックで過疎地をめぐる移動販売店です。過疎地で大人気で今話題の会社です。

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 事業の発祥は徳島県だそうです。
 過疎地のいわゆる「買い物弱者」といわれるご高齢者などが多い地域の「中小スーパー」と商品仕入れの契約を行って、その商品を移動販売車を持つ「個人事業主」に販売を任せるという独自の手法で、契約地域を全国に拡大してきたようですね。
 最初はトラック2台で2012年に創業したようです。
 2016年には有機野菜などの食品宅配専門スーパー「Oisix」を運営するオイシックス・ラ・大地(株)が買収に乗り出しましてさらに拡大していったそうです。
 現在ではコンビニよりも便利なチェーン店事業として発展し、2020年3月の今月末には全国で500台を突破する見込みで資金を再投資しているそうです。

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 陳列される商品の価格は、店頭価格にプラス10円と何とも良心的です。買い物弱者の立場に立った戦略でありながら、販売パートナーや地元スーパー、とくし丸の三者全員が利益を挙げられるというまさに「三方良しのオールウイン」ビジネスモデルが全国にあっという間に広がったのも納得できますね。この事業は、地方に特化したサービスで価値を生むことで成功している数少ない例と言えますね。

「とくし丸」の画像検索結果

 「とくし丸」事業のビジネスモデルのポイントは、本部利益の「会費=フランチャイズ費」を毎月3万円の固定額として、それ以上の儲けは地元スーパーと販売パートナー(ドライバー/個人事業主)に還元される仕組みだそうです。店舗側の運営の疲弊が話題になるコンビニのフランチャイズなどとはそもそもそのイズムが違いますね。

この事業がが目指すのは下記3点のようです。

 ・スーパーが近くになく買い物が難しいエリアの人々(買物弱者)の支援

 ・地元スーパーの支援(販売代行)

 ・個人経営者の支援(がんばれる仕組み)

であり、近江商人の三方良しを超えた「四方良し」の構図になっています。

 この「とくし丸」事業が体現している新たなビジネスの視点は、他事業にも応用が利く様に感じます。実際に取り入れる企業が出てくることに期待したいですね。