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たまに聞く、「 ひとりメーカー 」って?

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「ひとりメーカー」っていう言葉、皆さんご存知ですか?

製品作りにあたって必要とされる企画、デザイン、製造、流通といった一連の流れを、たった一人で行うクリエイターを表す造語です。

通常、各業務を分担することで製品を作るメーカーの業務を、全て一人で行うことから「ひとりメーカー」と名付けられたんです。

カンタンにいっちゃうと、電気製品なんかを、コンセプト、デザイン、設計、開発を独すべてりでやって製品として世の中で発売する人のことです。

2018年放送のNHK連続テレビ小説、所謂、朝ドラの「半分、青い。」も「ひとりメーカー」しちゃうお話しでした。
その「半分、青い。」のオープニング・クレジットで表記されていた「ひとりメーカー考証 - 八木啓太」という言葉。そう、その「八木啓太」さんについて興味があるので書いてみたいです。

八木さんは富士フイルムで医療機器の機構設計に従事しながら、独学でデザインを学んだそうで、2011年に退職して、「Bsize」という会社をを創業します。町工場と組んで開発したLEDデスクライト「STROKE」は、そのデザイン性の高さもさることながら、製品化までの全ての工程を「ほぼ独り」でこなしたことから、「ひとりメーカー」としてメディアにも大きく取り上げられました。

高品質デザインのデスクライトで挑戦したひとり家電メーカー ビー ...

そもそも、「ひとりメーカー」が何故できるような時代になったのか。

2010年代に起きた「メイカームーブメント」は、製造業にとっては変革の始まりでした。
2009年に工業用高性能3Dプリンタ製造メーカーであるStratasys社(ストラタシス)が保有していたFDM(熱融解積層)方式の3Dプリンタに関する特許が切れると、それまで数百万円もしていた3Dプリンタは2010年代後半には数万円という家庭用ゲーム機と同じ価格帯にまでに下がってお安くなりました。
また、オープンソースの概念がハードウェアにも浸透した。「Arduino」や「Raspberry Pi」といったシングルボードコンピュータがあっという間に普及して、3Dプリンタと併せて試作コストを劇的に下がることになったんです。
こうした環境を手に入れて、作りたいものを作れるようになった個⼈の作り手は「Maker(メイカー)」と呼ばれて、ブログやSNSを通じて作品をシェアするようになりました。さらに、オンラインだけでなく「FabLab」や「TechShop」といった工房や、「Maker Faire」などの作品展示/体験イベントを通じた交流の機会も世界中に広がったんです。

そんな中で、「ひとりメーカー」として成功を収めた八木さん素敵ですね。

2012年にクリス・アンダーソン著『MAKERS』の翻訳版が発売されて、「メイカームーブメント」という言葉が聞かれ始めた頃だったこともあり、八木さんのBsizeは「日本版メイカームーブメント」の象徴として認知されるようになったんです。

会社設立の当初、八木さんのみだったBsizeは、現在は社員10人の企業に成長。子供のみまもりGPSバイスである「GPS BoT ( https://www.bsize.com/bot/gps/ )」は、小学生の保護者の間で高い指示を得ています。この「GPS BoT」が発売された後、後を追う様にいろんなメーカーが真似したようなデバイスをいろいろ発売しています。
私は個人的にGPSマニアなのでいろいろ勝手試しました。でも、いろいろ検証しましたが「GPS BoT」の精度が最も高いです。

GPS BoTが発売されたのは2017年。
GPSと3G回線を内蔵した端末を子供に持たせることで、位置情報をモニタリングできる端末だ。
端末は4800円(税別)、月額の利用量は480円とリーズナブルな価格と安⼼につながるサービス体験が受け入れられ、小学生の保護者の間で急速に広がっています。複数の個人の手芸アーティストの方々がGPS BoT用のケースアクセサリーをネット販売しているぐらいですから、広がりが早々に易いですね。

「デザインとテクノロジーで社会に貢献する」というBsizeのミッションを最大化させるためには、切実な社会課題に対して、多くの人に貢献できるようなプロダクトを届ける必要がある、と八木さんは考えたようです。
この頃に八木さんにも子供が産まれたこともあって、子供が安全に暮らせるような社会を作りたい、という思いを抱くようになって、GPS BoTの開発につながっていったようです。

いろんな会社が「GPS BoT」の真似っこをしていますが、八木さんの熱意に追従できているメーカーはない感じです。今年2020年の3月に新モデルが発売されるようなので期待したいところですね。